名も知らぬ詩、2004年 ④
_____________
・ハコベ
その白は わたしを
_____________
・お湯の沸くまで
ちょっとだけすくった髪
指にくるくる巻きつける
ほどいては
巻きつける
ちょっとだけ痛くなりたくて
ネジ花から空までのこと
_____________
・草笛
ことばにできたことなんかいちどだってない
_____________
・花便り
春の便りを読みかえす
白 青 黄 緑
小さく そぉっと深呼吸
胸の破れ目に
春風がしみた
_____________
・白い裁きはこの胸に
言葉ではなかった
風はさらっていく
くちびるの痛み
言葉では ない
瞳とじてさえ
白く 白く 白く
_____________
・午後 (2004.4.8)
きょうのあなたが
こわくなりませんように
痛くありませんように
さみしくなりませんように
良い音が生まれますように
ふっと微笑みこぼれますように
うつくしく なりますように
そんなことをおもいながら
いつもより丁寧に 珈琲を
_____________
・「愛の生活」
その言葉をみた瞬間
白いリボンが降りてきた
ゆるやかな螺旋
空へとつづく白い
泣いてもいいですか
涙をゆるしてください 今だけ
誰のもとにも
白いリボンはあるのだと あるのだと
信じていいのですね