名も知らぬ詩&日記、2002年、7~8月
・お日様の季節 (2002.7)
コースター飛ばして
予定飛ばして
クルマ飛ばして
帽子飛ばして
サイダー飛ばして
笑いとばそう
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・ (メモ) (2002.7)
人間には二通りあるとおもう。たとえば。元気をくれる人と、元気を奪っていく人と。(すごく大まかな分け方) あとは、なんだろう、犬党・猫党とか。 えび天の尻尾を食べる・食べない とか。 車のシートベルトを外さないまま降りようとした事がある・ない とか。 …キリがないので、このへんにしとこう。 ところで元気って何から出来てるのかな?人工的には作れないっぽい。もし作れたとして、ビン詰になってお店に並んでいたら、どういう色をしてるのかな。
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・ぬりえ (2002.7)
たぶんすべての事が。意味なんてないのかもしれない。それだとつまらないので、あとから意味をくっつけているのだとおもう、きっと。 意味をつけるのは、つけたいから。意味はないとするのは、ないと思いたいから。なぜって、人はじぶんの考えたいようにしか考えないものだから。
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・ひまわり (2002.7)■■
あのナナメった電柱のとこまでケンケンだけで行けたら きっと君に逢える
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・朝顔 (2002.7)
グラスの水滴をふくときも
落ちた消しゴムをひろうときも
扇風機の羽音に耳をすませるときも
サンダルと足裏の間の小石をはらうときも
不思議な雲をみつめるときも
そう いつだって
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・午睡 (2002.7)
巨木ひしめく熱帯雨林
遥か高いところから 飛ぶように浮かぶようにみていた
樹々のうえの白い蒸気はゆるやかに流れ
蒸気を胸いっぱいに吸いながら 緑のなかへ降りてゆく
世界の反転するような速さ
降りてゆくにつれ 緑の色と匂いは深く深くなり
からだが緑に溶けるようだった
ふいに重力を感じて降下が終わる
視界いっぱいの黒
黒い大きなゴリラが目のまえ
顔と顔がぶつかりそうな距離で
彼はわたしをみる
わたしは彼をみる
どこまでも黒い顔 ところどころ青光り
なにも語らず考えず
見つめ合い 見つめあった
彼は笑いかけも怒りもせず
潤んだ目の
どこまでも深い黒がいま わたしを赦す
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・(メモ) (2002.8)■紡木たく「瞬きもせず」?
とあるファンサイトを見ていた。見ているうちに胸がキューッと。 あの本まだ取ってあったかな、どこに仕舞ったかしら。
そのサイトから引用。(tells のコーナーより)
(かよの言葉)「大人にとってはつまらんことでも うちらにとっては死にそーなことがあるんよ 」
(かよの父がふらふらに酔って言う)「 もっと一日一日 大事にしていかんと…いけんのぉー… 目ぇはなしたらいけぇん…どんなにつまらん時でもぉ もうそん時はー… もどってこん…の 」
どうしよ、なんだかいてもたってもいられない気分…。 □そのファンサイト ■←もう無い。探そうか。
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・8.16 (2002.8)■■
ビデオ「春にして君を想う」(1991年、アイスランド・ドイツ・ノルウェー)。養老施設で再会した男女が、ジープを盗んで施設を脱走する話。アイスランドにもカンナ(木を削るあれ)があるのには驚いた。いつかもういちど観たい。
これを観て思い出した、イーハトーブの今は亡き祖父。肺ガンで入院していた頃の話。ある晩、家の扉がカラカラと開いた。祖母がふしぎに思って見にいくと、祖父が立っていた。「おめぇさん、どうやって」「電車だ」「あいやー、逃げてきただか?」「んだ。あんなとこさ嫌ダ」みると、寝巻きに病院のスリッパのまま。 けっきょく病院に戻されたのだけど、生きて家の扉をくぐったのはその日が最後になった。
朝、帰省先から家人が帰京。「実家の猫が少しなついてきた」と嬉しそう。お土産は柿の葉寿司。こっちの友達に頼まれていた梨と関西版どん兵衛は忘れてしまったらしい。
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・ことば (2002.8)
空にも 海にも 川にも 森にも 人にも 飛行機の翼のうえに 船の行く手に 魚のみる夢に 鳥のはばたこうとする瞬間に あなたの胸のその奥に まだ たくさん きっとたくさん わたしのしらないことばがあるから
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・8.29
高三郎さんが(18日参照)ポツポツと咲きはじめた。花はカスミソウほどの大きさ、形はヒメジョオンや秋桜のよう。カメラがあったら収めておけるのだけど。
エアプランツはミイラになった。くねったまま干からびた葉が、スルメの足のようにもみえる。
髪をなにげなく指ですくと、グッと引っかかった。耳の上あたり、束になっている。…そうだ。昨夜、椅子に座って棒アイスを食べる家人を床に座って見上げていたら、アイスが頬に降ってきたのだった。髪にも落ちてたなんて。
束になった髪をほぐしながら、ふと思い出す。昔、彼女の上で煙草を吸っていたら灰がポロリと彼女の顔か胸元かに落ちてしまい、それがまた熱かったらしく、すごく怒られた、と言った人がいた。 いろんな意味でアツかったろうな、と思う。