名も知らぬ詩、2004年 ③ 

_____________
・乾いた目尻は 眩しそうに   BGM:イーグルス「Take It Easy」


 何か見つけたかい。 雲もないだろう。飛行機が通るのは明日だ。 何もないだろう。 運がよけりゃあいつが通る。ハリスホーク。あいつはなんでも持ってっちまう。むかし、昼飯をとられた。いや、くれてやったのさ。 嘘だよ。そんなもん食わない。あいつは生きてるもんしか食わない。

 コーヒーはどうだ。自慢じゃないが、世界一うすいぜ。どうだい。まずいまずいって笑い転げてみないか。ついでに埃っぽい靴で、石をけとばしたらいい。

 あんたはどこへ行くんだ。 決めてないのか。そりゃいい。 俺か? 俺はとりあえず、むこうだ。あいつが待ってる。 いや、恋人じゃない。 もっと大事なやつさ。

 


_____________
・電柱から電柱へ


しゅんとなってる

太陽電池の君よ


夕焼けなんか放って

たばこ屋の先までいこうか

 


_____________
・蕾


頬染める君よ

活字や
色や
音符や

そんなものに
なってはいけない


心染める君よ

ただ ただ


ほんとうに なれ

 

 

_____________
・海鳴り


いっそ

貝の釦にでもなって

さらわれてしまおうか

 

_____________

三月の宵は
フリージアの香り

あなたが 生きている
ということの怖さ

 

_____________
・風の夜


新聞切り抜いて
花瓶の水替えて
はさみをありがとう
メダカがこっち見てる


砂糖入れに砂糖を足して
24:29
お湯沸かそう
旧ソ連から独立ですって


だけど
ね RYUさん
どうしてかどこか
おちつかないの