名も知らぬ詩、2005年 ② ・冬の陽(2)あなたのカケラが飛んできて刺さる /その他

_____________
・Pastel


緑が緑になる

君の夢をみた
ただそれだけで

 

_____________
・おにぽて


ひらがなで書くとかわいい

やだ ごめんなさい
ちょっぴり可笑しいの

 


_____________
・4丁目のクレーン --- たっくんのたんこぶ


夢ちゃん: …夜になると灯りがついてね、ななめった東京タワーみたいなの♪
たっくん: 怪獣みたいだ!
夢ちゃん: きれいなのよ?
たっくん: 怪獣だ!
夢ちゃん: 青と赤の灯りがね、てっぺんと途中に、
たっくん: ガオーーッ!
夢ちゃん: ……。
たっくん: ……。

 


_____________
・やわらかな便箋


なにか あったのかな

午後三時
お日様の横顔に立ち止まる

苦笑いで首をふり
ふたたび歩く

お日様はいつだってあるのに
こちらの都合で夜を朝を


気のせい

さっきの
濡れた指で水面に触れたような心地は

 


_____________
・(2005.6.15)


あんな近くで見つめ合うのは 初めてで
ちょっぴり怖かった

うそ
ほんとはすごく怖かった

ようやく落ち着いて
スモモをかじってる

うそ
ほんとはどきどきしてる


こんなに酸っぱいんだ 種のとこって

 

 

_____________
・冬の陽(2) --- あなたのカケラが飛んできて刺さる


あなたのそれは
この まつげのすき間からこぼれて
そっと旅立ちました


どこか遠い国で
パンになるかもしれません
靴になるかもしれません
花になるかもしれません
だれかのあくびや
林檎のつるになるかもしれません


いつか
可愛いみなしごが
あなたのもとを訪れたなら


そのときは
どうか
抱きしめてあげてください