名も知らぬ詩、2008年 

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・内幸町 (2008.4)

 

人けのない 地上へとつづく階段

 

もし誰か この足どりを見たなら
春の便りと呟いたことでしょう


蕾が
花となる他を知らぬように

 

わたしも
今宵 この地を訪れる他は

 

 

 

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・花冷えの夜、ひととき (2008.4)

 

桜の下
まぶしい闇に守られて ふたり

 

誰にもみえない
らせんを昇る