名も知らぬ詩、2004年 ⑦
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・スモモ (2)
わすれてもいいですか
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・チョコミントアイス
魔法
ただし 一回きり
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・月のない夜
きのうのことは呑み込んで
ミルク抜きの珈琲
苦さを枕に
あの音色と眠ろうか
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・苺
ラブソングなのかな
ひさしぶり
リップクリームを施して出掛けた
「可愛くなりたい?」
やめて。
わかってる わかってるから
リップはやはり薄皮をもっていった
かるく唇をかみ
薄皮の在庫を心配する
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・おしながき
きょうは
何か
他のもの
すがるような聴き方
したくない
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・空の子
吹き抜ける風と
リュウグウノツカイ
筋書きにはなかった
いいよ
つぎ会ったら こう言おう
君は、
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・小さな温室
いまここにいたなら
抱きしめるのに
いまここにきたなら
花になるのに
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・木綿の日曜日
衣ずれのように彼はきて
背中から
そっと何かを羽織らせてくれた
日曜が手をふる
わたしも手をふる
ありがとう
何事もない一日をありがとう